日本ガス協会(JGA)は3月19日に開催した理事会で2024年度の事業計画を決定した。全文を掲載する。(用字、用語は新聞表記に準じています)
Ⅰ.環境認識
1.エネルギー・環境政策議論の進展
●第7次エネルギー基本計画の策定、地球温暖化対策計画の改定、NDC(国が決定する貢献)の見直し等、カーボンニュートラル社会実現に向けた政策議論の進展
●カーボンリサイクル燃料に係る国際的な二酸化炭素(CO2)カウントルール整備に向けた動きの加速
●需要側エネルギー政策としての省エネ法等における家庭用も含めたエネルギーの非化石化に向けた議論の進展
2.都市ガス業界内の動向
●海外におけるe‐methane(e‐メタン)製造に関する事業性の詳細検討(2025年度FID予定)
●国内におけるe‐メタン実証事業での実供給の開始
●地域課題解決に向けた都市ガス事業者による新規事業検討の動きの継続
3.社会の動向
●国際情勢の変化要素の拡大(イスラエル―パレスチナ問題、ロシア―ウクライナ情勢、米国大統領選挙等)
●南海トラフ地震の被害想定見直し等による災害対策強化への要請
●円安等によるエネルギー価格高騰に伴う省エネ意識の拡大
Ⅱ.2024年度のスタンスと重点項目
1.基本スタンス
第7次エネルギー基本計画の策定やNDCの見直し、会員事業者のe‐メタン海外プロジェクトの最終投資決定が25年度に予定される等、24年度は都市ガスのカーボンニュートラル化に向けたe‐メタンの社会実装に道筋をつける重要な年であり、日本ガス協会は、都市ガス業界の代表として、国の政策・制度、社会におけるe‐メタンの確固たる地位の確立を目指す。
また、世界情勢も変化し続け、LNGをはじめとするエネルギー供給途絶やマーケット混乱の懸念が拡大する恐れがある中においても、会員事業者の事業活動を支え、国・社会からの安定供給への要請にも確実に応えていく。
このため日本ガス協会は、①カーボンニュートラルチャレンジ2050アクションプラン実現に向けた取り組み強化②都市ガスの安全・安定供給に向けた不断の取り組み③地域脱炭素・地域活性化への取り組み支援の強化を柱に事業活動を推進し、都市ガス事業の持続的発展を牽引していく。
2.重点目標
1.カーボンニュートラルチャレンジ2050アクションプラン実現に向けた取り組み強化
●NDC見直しに向けた政策議論への対応と各政策におけるe-メタンの位置付け確保
●e-メタンの社会実装に向けた支援・制度(GX経済移行債・投資回収スキーム等)確立への対応強化
●カーボンリサイクル燃料の環境価値確立に向けた国内外制度・ルール設計の牽引
●トランジション期における燃料転換の推進、レジリエンス強化・再エネ調整力の提供にも資するガスシステムの導入促進に向けた取り組み強化
●需要側の非化石化に向けた省エネ政策議論における関係業界と連携したガスシステムの重要性・優位性の徹底訴求
●会員事業者のメタネーション実証事業へのサポート等、CN分野の技術開発・技術調査の推進
●水素利活用に関する制度課題への確実な対応
●NDC見直しを始めとする政策議論動向を踏まえたアクションプランの改定検討
2.都市ガスの安全・安定供給に向けた不断の取り組み
●有事におけるLNG供給途絶時に向けた需給両面からの備えの徹底
●ガス安全高度化計画2030の着実な実行による安全・安定供給の確保
●経年管対策の進捗、安全高度化計画の中間評価を見据えたさらなる保安対策の検討
●スマート保安の導入促進に向けた国の制度(認定制度・補助事業)活用への取り組みの強化
●南海トラフ地震の被害想定見直しを契機とした実効的な臨時製造・供給体制の整備、地域特性を踏まえた訓練等による災害対応力の強化
3.地域脱炭素・地域活性化への取り組み支援の強化
●CNに向けた多様な道筋(J―クレジット、バイオガス等)の提示や支援ツールの提供等を通じた事業者による地域脱炭素への取り組み支援
●地域におけるガスシステムを活用したZEB・ZEHの普及促進に向けた事業者への情報提供および支援の強化
●事業者と自治体の連携に資する取り組み(各種セミナー、シンポジウムの開催等)強化
●事業者による地域活性化への取り組み好事例の水平展開や新規事業の企画立案に向けた支援
●持続可能な都市ガス事業に向けた業界共通課題の探索と解決策の検討
4.大阪・関西万博パビリオン出展に向けた万全の準備
●業界内外への万博開催に向けた機運醸成の具体的取り組みの推進
●ガスパビリオンの着実な建築工事の実施と運営・展示演出の詳細検討
5.上記に係る積極的な情報発信・対外活動の展開
●ガス事業の持続的発展に向けた政策・制度議論(エネルギー・環境政策、ガス事業・保安制度等)への積極的関与
●カーボンニュートラル社会実現に資するガス業界の取り組み発信強化に向けた業界大での広報活動の推進
●カーボンリサイクル燃料の社会実装に向けた他業界・団体との連携強化
6.組織基盤の整備・強化
●会員事業者の経営形態変化や取り巻く環境変化を踏まえた諸機関の適切な運用や諸行事の効果的な運営
●コンプライアンス徹底、人材育成、デジタル技術活用に向けた取り組みの推進
Ⅲ.2024年度の活動計画
1.事業領域における活動計画
企画領域
(1)e‐メタンの社会実装に向けた国内外制度対応
国の政策議論への積極的な参画や国内外の関係者・関係団体への働きかけ、他業種を含めた各団体との関係強化等を通じ、e‐メタンの社会実装に向けた各種課題解決に貢献する
〈主要テーマ〉
●e‐メタンの普及に係る制度確立に向けた対応
●e‐メタンの低炭素集約度(CI値)に関する検討の継続
●SHK制度におけるe‐メタンの利用に関するルール化に向けた対応
●クリーンガス証書の実績づくりと証書制度の充実化に向けた対応
●会員事業者の具体的プロジェクトを踏まえた国家間カウントルール整備への対応
●GHG(温室効果ガス)プロトコル改定におけるカーボンリサイクル燃料のCO2計上ルール、証書活用の実現に向けた対応
●環境証書に関する国際相互認証制度確立に向けた対応
●国際会議等を活用した海外への情報発信、国際ガス連盟(IGU)など関連業界・団体との連携深化
●25年世界ガス会議への出展等、各種国際イベントに向けた準備
●水素事業に係る制度への対応
(2)温暖化対策・エネルギー政策への対応
次期エネルギー基本計画をはじめとした各種エネルギー政策における都市ガスやe‐メタンの位置付け確保や、都市ガス業界の健全な発展に資する温暖化対策ルールの実現に向けた対応を推進する
〈主要テーマ〉
●エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画におけるe‐メタン、ガスシステムの位置付け確保に向けた対応
●GXリーグ、カーボンプライシング制度への対応
●ライフサイクルCO2、メタンリーク議論への対応
●各種JGA行動計画(CN行動計画、循環型環境形成自主行動計画等)の策定
(3)ガス事業制度議論等への対応
国・事業者等との連携強化やガス事業の特性に関する関係者の理解促進に向けた積極的な発信を通じ、ガス事業の健全な発展と安定・安価なガス供給の実現に貢献する
〈主要テーマ〉
●e‐メタンの社会実装に向けたガス料金制度課題への対応
●LNG供給途絶に備えた事業者参加訓練の継続
●e‐メタン導入に伴う標準熱量引き下げ課題の検討
●電力事業制度を踏まえたガス事業制度改正議論への対応
●会員事業者の適切かつ持続的なガス事業運営に向けた支援
●ガス料金低減施策(激変緩和措置)の継続への手続き等に関する会員事業者フォロー
技術領域
(1)ガス安全高度化計画
2030の着実な遂行
経年設備対策の着実な推進や2030年の死亡事故ゼロに向けた工事事故防止活動の推進、資格運営制度の効率化・講習品質の向上を図る
〈主要テーマ〉
●経年管対策の進捗状況やガス安全高度化計画の中間評価を見据えたさらなる保安対策の検討
●評価基準年を迎える更生修理工法の期間延伸に向けた正規モニタリング手法の確立
●供給段階における保安作業体制の実態把握および本質的な課題整理等による事故分析の強化
●一般周知頻度の見直しを見据えた新たな周知方法(Webコンテンツの活用等)の検討
●トレーナーの技能・知識レベルや工事品質の向上、効率的な教育訓練に向けたe‐ラーニングの活用や講習サイトの一元化、緊急保安業務の現場対応力向上に資する教材の拡充
(2)レジリエンスのさらなる強化
南海トラフ地震の被害想定見直し・能登半島地震の教訓を契機とした地震対策や台風・豪雨発生時の対応力強化に向けた取り組みを推進する
〈主要テーマ〉
●巨大地震に伴う複数事業者被災時の地域特性を踏まえた初動対応・復旧応援の在り方整理や製造・供給が一体となった緊急・復旧対策の検討
●地震時の灯外内管被害分析等を通じた、供給継続性に与える影響評価や設備・緊急・復旧対策の在り方についての検討
●「都市ガス分野の災害対応・レジリエンス強化に係る支援事業」の確実な執行に向けた事業者支援
●「大規模災害時における保安業務の在り方検討会」における適切な事業者連携に向けた対応
●近年の台風・豪雨による被害事例等を踏まえたソフト・ハード両面における対策に関する要領の整備
●経済安全保障推進法施行後の事業者による届出対応支援
(3)スマート保安の推進
スマート保安導入促進に向けた国の制度・補助事業の活用に向けた取り組みの強化やスマートメーターシステムの普及・拡大支援および会員事業者への技術支援等を通じ、ガス業界におけるスマート保安を推進していく
〈主要テーマ〉
●認定高度保安実施事業者制度への申請手引き作成とインセンティブ活用に向けた事業者支援の実施
●スマート保安補助金事業の活用促進に向けた国との連携や事業者・ベンダーとのマッチング支援の仕組みの構築
●スマートメーターシステム導入効果の見える化や事業者相互の情報交換の促進、「テクニカルガイド」および「標準仕様要求書」の改訂等、事業者のスマートメーターシステム導入支援の強化
●ガスメーター工業会と連携した検定有効期間延長に向けた取り組みの推進
●技術普及セミナーの開催等を通じた新技術導入事例の周知・共有と技術支援の実施
(4)カーボンニュートラルに向けた対応
e‐メタンに関する国家間CO2カウントルールの規格策定への対応やe‐メタン導入に伴う影響評価と対応方針の整理、水素保安に関する制度課題への対応等を通じ、都市ガスのカーボンニュートラル化に向けた対応を推進していく
〈主要テーマ〉
●e‐メタンの環境価値について、既存枠組み(ISO)を活用したGHG算定規格の国際標準化に向けた対応を推進
●国の審議会での検討を踏まえた標準熱量引き下げによる製造・供給設備に対する影響評価と対応方針の整理
●自治体等が取り組む水素供給プロジェクトの動向を踏まえた事業者との連携による水素保安制度課題への対応
●国による水素・水素混合ガスの燃焼機器の安全性能評価調査事業への対応
普及領域
(1)カーボンニュートラル社会実現に資するガスシステムの位置付け確保
国のエネルギー・環境政策議論への積極的な参画等を通じ、ガスシステムの適正な評価や支援策の獲得を目指すとともに、カーボンニュートラル社会実現に向けたガスシステムの普及拡大・プレゼンス向上に貢献する
〈主要テーマ〉
●需要家側の非化石化に向けた国のエネルギー・環境政策議論における、ガスシステムの適正な評価獲得に向けた対応
●トランジション期における天然ガスの普及拡大に資する支援制度実現に向けた、ガスシステムのレジリエンス・健康・快適・利便性・経済合理性等の訴求
●事業者のLNG基地でのe‐メタン実証事業における環境価値取引に関する技術開発の推進
●水素製造装置の常用圧高圧化に向けた規制緩和への働きかけの実施
(2)都市ガスの普及拡大に向けた会員事業者支援
官民連携活動や新技術の発信を促進するプラットフォームの拡充、政策関連情報の発信、業界協調領域での技術開発の推進を通じた、都市ガスの普及拡大に向けた会員事業者の取り組みをサポートする
〈主要テーマ〉
●会員事業者による自治体をはじめとした地域のステークホルダーへの、ガスのカーボンニュートラル化やガスシステムのレジリエンス性および健康・快適・利便性等に係る訴求活動の支援
●「コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会」の活動強化をはじめとした、国・自治体との官民連携プラットフォーム機能の充実化
●「ガスZEB」の認知度向上や事例拡大に向けた、各種ツールの整備とイベント等を活用した訴求機会の拡大
●燃料転換の促進や高効率ガス機器の普及拡大等高度利用の推進と補助事業の活用に向けた対応
●カーボンニュートラル関連の技術開発・技術調査の推進
(3)関係業界等との連携
他業界との連携を通じたガス機器の普及促進やガス業界のプレゼンス向上に向けた取り組みを推進するとともに、研究会活動等を通じた有識者へのガス業界の取り組みについての理解促進を図る
〈主要テーマ〉
●「暮らしの未来シンポジウム」「GasInnova」「NGVフォーラム」等の対外発信イベントの開催
●ガスシステムの普及拡大に向けた各種研究会活動等を通じた有識者(住宅・建築物・省エネ・NEB分野等)との関係および連携強化
●CCR(CarbonCapture&Reuse)研究会への参画・運営を通じた、e‐メタン社会実装に向けた関連企業との連携強化
●日本ガス体エネルギー普及促進協議会(コラボ)や、ウィズガスCLUB等、エネルギー・住生活関係業界との連携・協業を通じたガス体エネルギーの付加価値訴求
●e‐メタンの社会実装に向けた環境価値確立や製造コスト低減等に関する研究・調査の推進
●高効率給湯器(エネファーム・エコジョーズ)のさらなる普及推進に向けたLPガス業界・製造メーカー等、機器業会・住宅業界等との連携強化
●e‐メタン・バイオガスの自動車燃料としての活用に向けたモビリティー関連業界との連携強化
地方領域
(1)地方ガス事業の持続的発展に向けた活動の強化
多様化する各地域の状況下において、地域に根ざす地方ガス事業者による「カーボンニュートラル社会に対応した新たなガス事業を創る活動」と「地域が永続するための活動」の推進に向けた支援を強化していく
〈主要テーマ〉
●地方部会幹事会議等を通じた、会員事業者経営層に対する、政策動向や地域脱炭素・地域活性化に関与する意義および先行事例等の情報提供
●会員事業者による、地域で取り組み可能な「CNな都市ガス」の実装に向けた具体的検討の促進(勉強会、先進事例紹介等)
●会員事業者が抱える全国的・共通的な課題解決策の検討および解決策の具現化に資する場づくり
●多様化する地域の実情の理解・把握や地域毎に異なる多様なニーズへの対応力強化に向けた支援
●事業者訪問活動を通じたガス事業動向や地域毎の課題の把握
●公営ガス事業者支援
●団体保険(賠償責任保険等)などのガス事業経営基盤強化に向けた支援活動
(2)地域単位での会員サービス活動充実化への支援
地方部会を通じた地域単位での会員サービス活動の充実化を支援する
広報領域
(1)e‐メタン社会実装への機運醸成
トランジション期の天然ガスの利用拡大とCNに向けたe‐メタンの有用性の発信等を通じ、気運醸成と政策提言への働きかけに注力する。
〈主要テーマ〉
●e‐メタンの社会認知度向上に向けた業界大での情報発信施策の検討・実行
●メディアを通じたe‐メタン社会実装の有用性に関する情報発信に向けたエネルギー担当記者への働きかけの強化
●カーボンリサイクル(CR)燃料の有用性認知拡大に向けた他業界団体との連携策の検討・実行
(2)大阪・関西万博ガスパビリオン出展に向けた万全の準備
ガスパビリオンの建築進捗管理、展示演出・運営計画策定を推進するとともに、ガスパビリオンへの機運・期待感の醸成を図っていく。
〈主要テーマ〉
●ガスパビリオンの建築進捗管理、展示演出・バーチャル万博・運営計画の詳細内容の確定
●節目イベント(開幕1年前、ガスパビリオン竣工、開幕直前)を踏まえた万博SNSのさらなる活用、一般参加型イベントの開催、会員事業者によるパビリオンキャラクター活用促進
●万博要素も取り入れた子供向けエネルギー出張授業プログラムの活用促進
(3)災害時の正確な情報発信に向けた取り組み
お客さまの安全・安心や早期復旧につながる正確な情報発信に向け業界全体のレベルアップ施策を推進する
〈主要テーマ〉
●災害時における広報活動の好事例についての水平展開やSNS活用促進に向けた講習会の開催
●大規模かつ広域地震(南海トラフ地震等)発生時の効率的な情報収集体制の構築を反映した、地震時広報活動ガイドブックの業界内周知・浸透
2.会員サービス活動に関わる活動計画
北海道部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●事業基盤強化を図るための人材育成およびデジタル技術導入に向けた取り組みの支援
―ガス事業に係る専門知識の習得、階層別職員の能力向上、事業環境の変化および経営基盤の強化に資する各種スキルアップ研修の開催
―AI等デジタル技術活用の有効性・優位性等を訴求する情報提供の実施(講演会等)
●保安人材の育成および保安水準の向上に向けた取り組み
―保安従事者のスキル習得に向けた保安研修、自主保安活動に資する保安人材育成・指導力向上に係る担当者会議の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●正会員事業者のカーボンニュートラル化に向けた取り組みの支援
―カーボンニュートラルを促進する情報提供(バイオガス関連施設の視察、優良事例の紹介等)
―正会員事業者の地域脱炭素・低炭素に向けた取り組みの支援(施策紹介等)
―ガスシステムを活用したZEB・ZEHの普及拡大に向けた情報発信
●都市ガスの安全・安定供給に向けた不断の取り組み
―LNG供給途絶の有事に備え、事務局各部と連携した関連情報の水平展開等による、正会員事業者の取り組み促進
―ガス安全高度化計画2030の着実な実行に向けた、正会員事業者の保安向上等の取り組み支援
―日本海溝・千島海溝地震による津波災害に備え、津波対策および行動指針等の事例共有、被害想定の算定等による実効的な臨時製造・供給体制整備の共有等による災害対応力強化
●正会員事業者の地域活性化に向けた取り組みの支援
―全国のガス事業者による地域活性化の取組事例等の水平展開
―正会員事業者の地域活性化の取り組み支援(施策紹介等)
東北部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●経営基盤を支える人材の企画力・業務対応力向上を図るための業務研修の実施、行政情報・業界動向・業務活動に関する先進的な取り組み事例等共有する業務セミナーの開催
●激甚化・頻発化する災害を始めとするさまざまな事故に迅速に対応する保安人材育成、保安水準の維持・向上を図るための保安・技術に関する知識を習得する技術力向上研修の実施、安定供給の確保に資する供給設備に関する座学・実技講習会の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●技術委員会、保安推進グループ会議、技術分科会等を通じた保安・技術関連情報の提供・事故事例研究等の実施、技術普及セミナー開催等による新技術の紹介・普及
●非常事態時の応援受入演習をはじめ、被害状況報告システム訓練等を通したJGA―DRESSおよびG―Reactの適切な運用に向けた取り組み
●都市ガス利用の普及拡大を図るため、国出先機関、自治体、各県都市ガス協会等とも連携した都市ガスの高度利用に向けた東北コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会の運営
●各県都市ガス協会等との連携強化、各種会議等における会員と行政機関との情報交流促進、各県の保安・技術関係会議における情報提供、意見交換の実施、各地方部会との情報共有のさらなる促進
●地域脱炭素に向けた事業者の取り組みを推進するため、自治体等ステークホルダーとの連携深化につながる地域エネルギー事業など、地域活性化活動の課題に関する意見交換や事例等の情報提供
●IT化に対応した部会活動概要を周知する会報(電子媒体)の発行、会員間および関係機関との情報交換・連絡ツールとなる部会会員名簿の作成・配付等、各種情報の迅速な提供
関東中央部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●保安人材育成に向けた取り組み
―技術普及支援講習会等における会員ニーズに則した内容の見直しの実施
●事業基盤強化に向けた人材育成の取り組み
―ワーキンググループ(WG)委員会での議論を踏まえた会員事業者ニーズに則した講習会・セミナーのハイブリッド開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●関東中央部会の独自の保安向上に向けた取り組みの実施
―都県ガス協会と連携した災害時連携計画の運用に向けた整備の実施
●地方ガス事業者の持続的発展に向けた取り組みの実施
―デジタル活用やSDGs推進等の事例共有や課題解決支援を通じた取り組みの実施
●部会の特性を踏まえた地域のカーボンニュートラル化や経営高度化への取り組みの実施
―部会の特性を踏まえた地域のカーボンニュートラルに関する情報提供等の実施
―事業者の経営高度化支援(地域活性化、デジタル化)や取組好事例の情報発信や水平展開促進
―地域におけるZEB・ZEHの促進に係る取り組みの実施等
●監督官庁・自治体・都県ガス協会等関係機関との連携強化
―部会幹事会議等各種会議体や講習会・セミナー等での監督官庁や自治体との連携強化
―都県ガス協会の各種会議でのJGA活動の水平展開の実施
●会員事業者への情報提供および経営形態を踏まえた効果的・効率的な部会運営
―関東中央部会会員に対する迅速・的確な情報提供の実施
―会員事業者の経営形態等を踏まえた部会運営の着実な実施
東海北陸部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●保安人材育成に向けた取り組み
―ガス主任技術者試験受験準備のための研修会や会員事業者の施設等を活用した開放コース(製造関係、供給関係、消費機器関係)の実施、技術普及セミナーの開催
●事業基盤強化に向けた取り組み
―エネルギーシステム補助金やガス事業制度議論等に関する説明会の実施、ガス普及促進のためのスキルアップ研修や業務セミナーの開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●安定供給・安全確保(レジリエンスの強化)に向けた取り組み
―応援受入演習報告会、情報連絡訓練(台風・豪雨時、サイバー攻撃発生時等)の実施
―防災訓練(部会事業者合同による訓練、地震・防災関連システム操作訓練等)の実施
●カーボンニュートラルに貢献する天然ガス普及促進に向けた取り組み
―コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会を通じた域内の地方自治体の理解促進
●大規模災害発生時の事業者連携に向けた取り組み
―円滑な被害情報の収集、応援・受入態勢の調整に向けた訓練の実施
●監督官庁など関係機関との連携
―大規模災害を想定した情報連絡訓練の実施
近畿部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●安定供給に向けたレジリエンスの強化と保安人材育成支援
―有事に備えた各種災害対策訓練の実施(地震時被害状況報告訓練、台風豪雨情報連絡訓練、サイバーセキュリティー情報連絡訓練、復旧支援システム操作訓練等)
―保安・防災に関する知見を広めるための見学研修会の開催継続
●会員事業者の事業推進に資する知識と意識の向上支援
―事業者幹部を対象とした経営セミナーの開催
―外部講師の講演による普及セミナーや社会、業界動向に応じたタイムリーな講演会・見学会等の開催
●知識、技能向上機会拡大への取り組み
―近畿ガス事業協同組合との連携による研修の継続と事業者間交流の充実化
―技術普及セミナーおよび保安・ガス普及に関する説明会等の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●保安力向上、災害対応力強化に向けた自主保安活動支援
―災害時連携計画に基づく地震時応援受入の演習支援および報告会開催による事業者間での情報共有と意見交換の実施
―保安推進グループを中心とした事業者保安巡回の実施および保安ヒアリングを通じた保安に関する意見交換の実施と事業者間連携の推進支援
●事業者共助によるガス普及の促進
―ガス普及に関する好事例の紹介等による情報共有および活動支援
―コンプライアンスを徹底した上での普及事例報告会の開催
●地域脱炭素、地域活性化への貢献に資する事業者取り組み支援の強化
―近畿コージェネ協議会や委員会等での、地域脱炭素取り組み推進事例やカーボンニュートラルに向けた技術開発情報等の情報共有化の推進
―会員事業者への地域活性化に関する情報提供や意見交換の実施
―地方自治体・公共団体等との連携推進、協議会・委員会等の機会を通じたガス業界の取り組み発信
中国・四国部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●業務基礎教育による人材育成の取り組み
―新入社員合同研修、事業者主催業務基礎研修の実施による人材育成支援
●保安人材育成に向けた取り組み
―事業者主催保安関連研修、製造関連情報交換会議等の実施による保安人材の育成
●事業基盤強化に向けた取り組み
―業務研修、業務セミナーの実施による天然ガス普及拡大支援、スキルアップ支援
―技術普及セミナー、技術開発普及会議等の実施による新技術・新工法の普及促進
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●安定供給、保安向上・レジリエンスの強化
―保安推進プランナー会議、技術委員会、保安推進グループ会議の開催による「ガス安全高度化計画2030」の推進と部会事業者の保安レベルの向上
―災害対策検討ワーキング、応援受入演習報告会の実施による部会事業者間での災害・事故への対応検討と災害対策の情報共有、連携強化
(3)地域脱炭素・地域活性化への取り組み支援の強化
●地方ガス事業者による地域脱炭素・地域活性化へ向けた具体的取り組みの支援
―全国的・共通的な課題に対する具体策の提示
―多様な課題対応に向けた人材育成の支援
―カーボンニュートラルへの各社ロードマップ策定・遂行の支援
●部会会員全体に向けた理解促進・最新情報の発信
―部会の各委員会・幹事会議等での情報の共有化
九州部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
●事業基盤強化に向けた人材育成の取り組み
―ガス普及・経営基盤強化に資する人材研修の開催
―業務(営業)推進大会、九州コラボセミナー、ネットワーク29等による事例・情報の共有と発信
●保安人材の育成および保安水準の向上に向けた取り組み
―被害状況報告訓練、各種情報連絡訓練等の実施による保安人材の育成支援
―事業者が開催する技術研修会、講習会等への参加
―内管工事資格制度講習トレーナー教育、技術講習会の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
●安定供給・レジリエンス強化に向けた取り組み
―災害対応力強化に資する要綱・要領・復旧対策の浸透、サイバーセキュリティー情報の共有化
―南海トラフ地震などを想定した災害対応訓練、応援受入訓練等による緊急対応体制の強化、地震時広報活動などに関する情報の提供
―ガス安全高度化計画2030推進に資する事故情報の提供、経年管対策の支援
●カーボンニュートラル化に向けた取り組み
―九州・沖縄地区コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会などによる自治体との連携強化
―カーボニュートラルに資する勉強会の開催、情報の提供
●正会員事業者の持続的発展に向けた取り組みの支援
―事業者訪問を通じた情報の収集と経営基盤の強化に資する情報提供と解決策の検討
3.組織基盤に関わる活動計画
(1)適切な機関運営と会員制度の運用
〈主要テーマ〉
●法令等を踏まえた各機関・諸行事の適切かつ効果的な運営
●不確実な事象の発生や取り巻く環境変化にも対応した柔軟な事業活動の企画・展開
●会員の経営形態多様化への対応も含めた会員制度の適切な運用
(2)事務局人材施策と業務基盤強化
〈主要テーマ〉
●持続的な組織運営確立に向けた事務局内組織整備・人材育成施策の実行
●会員サービスの充実化に向けたDX利活用の推進と会員事業者へのDX利活用に関する情報発信
●ガス事業運営に際して遵守すべき関係法令に関する会員への有益な情報発信
●業界の独占禁止法遵守に向け、必要に応じた研修会(事務局・会員事業者向け)の開催
(3)基幹業務
〈主要テーマ〉
●会計・経理業務のさらなる効率化・健全化に向けた会計・経理体制・システムの整備
●会員ニーズや実態に合わせた統計調査の実施
●事務局業務の円滑な遂行を支える総務・経理業務の確実な実施