GENIX-CN70

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5月10日終値

5月10日東証 大阪ガス、北海道ガスの株価が高値更新。自社株買いや増配、株式分割を好感。GENIX-CN70は2週連続で最高値。
市況情報

 GENIX-CN70は10日、前週末比2.33ポイント高い194.47ポイントと3週連続で値上がりし、前週に続いて過去最高値を更新した。

 指数構成銘柄では大阪ガス、北海道ガスなどが過去20年来の高値を更新。大阪ガスは8日発表の自社株買いが好感されている。「3月発表の中期計画で株主資本配当率に基づく増配方針が打ち出されたばかりの株主還元策で、サプライズとして受け止められた」(アナリスト)。北海道ガスは4月30日発表の株式分割(1対5)や今期実質増配を手掛かりに人気化している。PBRは0.8倍台に上昇し、課題の1倍割れ解消が現実味を帯びてきた。

 岩谷産業も急伸し、4月に付けた最高値9311円を射程に捉えてきた。同社の3月期決算は5月13日午後2時半に発表予定だが、同社がさきごろ筆頭株主となったコスモエネルギーホールディングスが昨日決算発表を行い、堅調な業績と自社株買い、年間300円配当を維持する方針が明らかになった。コスモエネの株価は本日、一気に高値を更新、岩谷産業の株価支援材料になっている。

(2024年5月10日配信)

 【過去解説記事】

  中東産LPG日本向け長期契約価格(サウジCP)5月分は、プロパンが1㌧当たり580ドルと前月比35ドル下落した(下落率5・69%)。値下がりは4月分に続いて2カ月連続。

  ブタンは前月比35ドル値下がりして(下落率5・65%)1トン当たり585ドルとなった。ブタンも2カ月連続で下落した。

(2024年4月26日配信)

 中国税関が18日に発表した3月のLNG輸入量は前年同月比24・1%増の665万㌧となり、3月としては2021年の564万㌧を上回り3年ぶりに過去最高を更新した。1~3月の累計輸入量は同20・4%増の1985万㌧と、年間輸入量が過去最高だった21年同期を0・8%上回った。

 今年第1四半期の国内総生産は5・5%増と昨年第4四半期の5・2%増を上回った。輸出産業を中心に二酸化炭素排出削減のためのガスシフトも進んでいる。同期間のLNGスポット市況が前年同期を4割下回るなど割高感が薄れたことも需要喚起につながったようだ。今後の見通しについてエネルギー・金属鉱物資源機構調査部竹原美佳部長は、「国際市況はこのところ上昇に転じており、LNGスポット調達は目先一服しそうだが、地方政府のガス火力建設推進や船舶燃料のグリーン転換などもありガス需要そのものは高まる方向」としている。

(2024年4月18日配信)

 東証4月12日 東京ガスの株価が一時前日比54円高の3899円と前日に続いて上場来高値を更新した。同社株は今週に入って騰勢を強め、年初からの株価上昇率は20%に達した。3月中旬、大阪ガスの時価総額が一時、東京ガスを逆転したが、東京ガスが再び首位に立ちリードを広げている。4月19日に全国知事会が東京ガス横浜ステーションを視察し、e‐メタン製造実証の説明を受ける予定となっている。カーボンニュートラルに向けた同社の技術力に注目が集まりそうだ。株価上昇により、株価純資産倍率(PBR)は0.94倍へと上昇。1倍乗せが視野に入ってきた。

 都市ガス株では、北海道ガスの株価も上昇基調にあり、この日も前日マークした上場来高値2960円まで一時買い進まれる場面があった。年初からの上昇率は34%に達するが、同社株のPBRはいまだ0.7倍台にとどまり、依然割安感が漂う。北海道では半導体工場の新設で電力消費の大幅な伸びが予想され、北海道電力の株価もこのところ大幅に上昇している。

(2024年4月12日配信)

 4月3日 米原油先物(WTI)は前日比28セント高の85.43ドルと3日続伸、本年の高値を更新した。ウクライナによるロシア主要製油所への無人機攻撃や、イラン大統領によるイスラエルへの報復表明など地政学的リスクの高まりが背景にある。また週間統計で米国原油在庫が前年同期比18.5%減と減少が目立ったことも材料視されている。

 注目されたOPECプラス合同閣僚監視委員会は、生産目標維持を決定。また、米連邦準備理事会パウエル議長は講演で利下げを急がない姿勢を示したとされる。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部・芥田知至主任研究員は、「中東、ウクライナ情勢は今後一段と動向が注視される。また、米金融政策、中国当局による経済運営、産油国の生産方針なども引き続き注目される。ただ、米中の景気は石油需要を上振れさせるほどには強くないとみられ、相場の上昇傾向を決定づける材料は出にくいと思われる。相場は再び一進一退の推移となりやすい」と指摘。もっとも、今年後半にかけて米利下げを受けてドル安が進む展開となれば、ドル建ての原油価格には割安感が生じ上昇圧力がかかりやすくなるとし、今年度は1バレル95ドル程度の上値が見込めるとしている。

(2024年4月4日配信)

 GENIX-CN70は年度内最終売買日となった3月29日、前週末比0.55ポイント上昇し189.41と、2週続けて最高値を更新した。3月末割り当てで1対10の大幅な株式分割を実施した三菱重工業は権利落ち後も堅調で、修正株価は連日の最高値となった。GENIX-CN70構成銘柄では他に理研計器が1対2、川崎汽船が1対3の株式分割を3月末割り当てで実施した。

 岩谷産業の株価が3連騰で、連日の上場来高値更新。3月28日にコスモエネHD株式を追加取得し、持ち分法適用会社にしたと発表したことが材料視されている。コスモエネの今期純利益予想は780億円、岩谷産業は335億円。持ち分比率2割相当の利益が来期以降、上乗せされるインパクトの大きさが期待されているようだ。また、会社側は本件株式取得に要する資金を借り入れで賄うとしており、「増資による一株当たり利益の希薄化が回避される見通しになったことも好感されている」(国内証券調査部)という。

(2024年3月29日配信)

 米国3月26日、米パイプラインガス(ヘンリーハブ=HH)先物価格が終値で5日続落し、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.575ドルに下落。2月20日に付けた本年安値1.576ドルを1カ月ぶりに割り込んだ。ザラ場安値は1.4㌦台まであった。

 米エネルギー情報局(EIA)が3月21日に発表した週間データによると、米国の地下ガス在庫量は3月15日時点で前年比21%増、過去5年間の平均値に対しては41%上回っている。エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役は、「気温が上がり需要が低下して、在庫がさらに積み上がったことと、生産がすぐには低下しないことが主要因」と指摘する。こうした在庫の荷余り感が先物市況の上値を重くしているようだ。

 HH先物価格の過去15年間の値動きを振り返ると、期近先物価格が1ドル台まで下落した年は2012年、16年、20年の3回あり、当該年の安値形成月はそれぞれ、4月(1.9ドル)、3月(1.6ドル)、6月(1.4ドル)となっている。春に安値を付ける習性と、この間の価格水準が切り下がる傾向が見て取れる。

(2024年3月27日配信)

 3月22日、ガスエネ株価指数カーボンニュートラル70(GENIX‐CN70)は2週間ぶりに過去最高値を更新した。GENIX‐CN70構成銘柄はほぼ全面高となり、K&Oエナジー、三菱重工、岩谷産業、大阪ガスなどが最高値を更新した。

 なお、三菱重工(1株→10株)、理研計器(1株→2株)、川崎汽船(1株→3株)は3月28日付で株式分割の権利を落とす。株式分割のメリットとしては、単位投資額の引き下げによる投資家層のすそ野拡大、流動性の向上などが指摘される。昨年以降で、株式分割を実施したリンナイ、NTT、三菱商事、京セラは、権利落ち後も堅調な値動きを保っている。

(2024年3月22日配信)

 3月15日 ENEOSHD(GENIX―CN70構成銘柄)の株価が朝方から買い進まれ、5年3カ月ぶりに700円台に乗せてきた。他にもINPEXや石油資源開発、コスモエネルギーHDなどの石油関連株、資源高が利益に結び付く商社株も軒並み値上がりしている。コスモエネルギーは国内大手証券が投資格付けを引き上げたことも好感され、株価は上場来高値を更新した。

 株式市場は、米原油先物(WTI)が14日、期近4月渡し終値で1バレル81.26ドルと続伸し、昨年11月6日の80.82ドル以来の80ドル台乗せとなったことを材料視しているようだ。国際エネルギー機関(IEA)が同日公表した市場レポートでは、今年の石油需給は供給不足になるとの予測が示されている。産油国の自主減産延長による供給減や、紅海におけるタンカー襲撃で海上輸送距離が延びておりバンカー燃料の需要増加を織り込んだという。もっとも原油市況は過去1年余りにわたって、おおむね70ドルから80ドルのレンジで推移しており、80ドル台では上値の重さも意識されそうだ。

(2024年3月15日配信)

 3月8日 大阪ガス(GENIX CN‐70構成銘柄)の株価が前日比153円高の3350円で寄り付き、直後に230円高の3427円まで上昇。1月11日に付けた上場来高値3242円を一気に更新した。同社は7日、3カ年中期経営計画を策定し、配当を原則減配せず維持または増配する累進配当制度を導入すると発表し、好感された。

 2024年3月期の配当金は前期比12円50銭増配して72円50銭(従来予想65円)に、25年3月期は95円を目指す方針も示した。株主資本配当率を3%とする方針を掲げ、機動的な自己株取得も検討するとした。この他、自己資本利益率(ROE)の目標は26年度に8%程度、投下資本利益率(ROIC)は5%程度を目指す。「株価を意識した経営姿勢に変化していると株式市場が受け止めており、都市ガス株の中でも相対的な値上がりが目立ってきている」(中堅証券)という。この日前場終値での時価総額は、大阪ガスが1.43兆円、東京ガスは1.41兆円となり、大阪ガスが東京ガスを逆転した。

(2024年3月8日配信)

 2月22日 東証では朝方から買いが先行し、日経平均株価は大幅に反発した。終値は初の3万9000円台で、1989年12月以来の史上最高値更新となった。注目された米エヌビディアの決算が市場関係者の事前予想を上回り、3連休控えにもかかわらず、マーケットのセンチメントは強気に傾いた。半導体関連株をリード役に、主力株を中心に幅広く買い進まれた。

 GENIX‐CN70構成銘柄も軒並み上伸した。三菱重工業が上場来高値を更新し、日本酸素HD、川崎汽船は最高値をうかがう動き。原油市況の上昇を背景に石油資源開発など石油関連株も値上がりした。

(2024年2月22日配信)

 米国パイプラインガス市場価格(ヘンリーハブ先物)が2月15日、8日連続安となり、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.5㌦台まで下落、2020年6月以来の安値水準となった。在庫の積み上がりが背景にあるという。

 エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80㌦弱と堅調なことから、パーミアン盆地を中心にシェールオイルの生産が盛んで、随伴ガスの生産量も増えている。気温が高めに推移していることもあり、地下在庫は過去5年間の最高水準に到達している」と指摘。

 先物市場の中心商いが春の需要閑散期に移りつつあることから、市況は当面弱含みで推移しそうだ。
(2024年2月16日配信)

2月12日 米国で天然ガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格=HH)が5日続落し、期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり1.768ドルに下落した。1.7ドル台は2020年7月以来の安値となる。市中在庫が高水準にあり、市場のセンチメントを圧迫している。

HHは昨年11月以降、3ドルを割り込むなど市況の低迷が続いているが、生産量が落ち込む兆しはいまだ見えないという。エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80ドル弱と堅調に推移していることから、オイルリッチなパーミアン盆地を中心に油狙いの生産が盛んになっている。このため副産物であるガスの生産も増加している」と指摘する。

(2024年2月13日配信)

米国市場でガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格)が続落している。7日に心理的な下値めどと見られていた百万BTU(英国熱量単位)当たり2ドルを割り込むと、8日終値は一段安となり1.917ドルまで下落した。およそ3年5カ月ぶりの安値水準となる。

市況下落の背景には、マーケットの荷余り感があるようだ。「このところの気温上昇で暖房用需要が低下しており、地下在庫量は過去5年間の上限レベルに到達している。当面は上値の重い展開が続きそうだ」(エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役)。

ヘンリーハブ価格の下落に伴い、米国産LNGの輸出価格も低下しており、現状は世界の主要輸出国の中でも最も安価な水準となっている。

(2024年2月9日配信)

2月6日 東証後場 三菱重工業の株価が昨日の1万円初登頂に続いて一段高となった。この日午後、同社は3月末割り当てで株式1株を10株に分割すると発表。合わせて発表された今2024年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比11%増、純利益は同倍増となるなど好調ぶりが明らかになった。通期の受注見通しを6兆円とし、従来予想に4000億円上積みした。これら大幅な株式分割と好調な業績動向が素直に好感され、買いが買いを呼ぶ好循環となっている。

同社株は1年前の2月には5000円前後で推移しており、そこから株価水準はちょうど2倍になっている。

(2024年2月6日配信)

1月31日 サウジアラムコがこのほど日本のLPガス輸入事業者に通知したプロパン2月分出荷価格(サウジ2月CP)は、前月比10ドル値上がりして630ドルとなった。値上がりは昨年8月分(470ドル)以降、12月分の変わらずを挟んで8カ月連続。

LPガス市況に影響する原油市況が、12月初旬を底に水準を切り上げているほか、世界最大のLPガス輸出国である米国において、プロパン在庫の取り崩しが進み、市況が上昇したことが背景にある。米国ではLPガスの一大輸出地域であるメキシコ湾で濃霧が観測されており、輸出作業への影響も警戒されたという。サウジCP2月ブタンも、前月比10ドル値上がりして640ドルとなった。

(2024年2月1日配信)

1月26日GENIX-CN70は前週比0.64ポイント値上がりして169.36ポイントとなった。7週間連続の上昇で、3週続けて統計開始来の最高値を更新した。一方、東証株式市場全体としては、このところの上げピッチの速さから利食いが広がり、東証株価指数(TOPIX)は7週ぶりに値下がりした。

GENIX-CN70の構成銘柄で値上がりが目立ったのは、25日に2023年12月期決算を発表したHIOKI。24年12月期も増収増益を見込み、配当金を年200円に連続増配する方針が好感されたようだ。

このほか、三菱重工業、三菱化工機が高値圏で頑強な値動き。SMBC日興証券が目標株価を引き上げたウエストホールディングスも下値を切り上げている。

(2024年1月26日配信)

 欧州パイプラインガス先物価格が17日、百万BTU(英国熱量単位)当たり8ドル台まで下落し、昨年8月以来の安値水準となった。北東アジアLNGスポット価格も続落しており、17日は昨年6月以来の9ドル台を付けている。先物の決済期日が2月から3月に移り冬場の需要期を過ぎることで、足取りが弱くなっている。昨年の安値は欧州ガス先物価格が7ドル台、スポットLNGは8ドル台だった。

 当面の市況動向についてエネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は、「カタールから欧州にLNGが年間1500万トン供給されており、スエズ運河の通航リスクが警戒されているものの、それでも欧州の在庫水準が依然として高いため、中東からの輸送に支障が生じても当面の供給は何とかなると見られている。昨年10月から輸出を再開したエジプトLNGもまだ量は少ないとはいえ心理的な支えになっている。不需要期の相場は数年前なら3~4ドルもありえたが、安価になったスポットLNGを中国が仕込む動きも見られるため、今回はそこまで下がらないだろう」とする。また、「足元のスポット需要は弱いが、供給力に余裕があるほどの状況でもない。幸いにして供給設備のトラブルは昨年から起きていないが、いつ起きても不思議はない。先行きを楽観視するわけにはいかない」と指摘する。

(2024年1月18日配信)

東京株式市場は年末・年始と値上がり基調を強めており、GENIX-CN70も12月15日から1月12日終値まで5週連続で上昇した。1月12日の終値は167.67ポイントとなり、昨年9月15日にマークした指数算出以来の最高値165.83ポイントを4カ月ぶりに更新した。

GENIX-CN70構成銘柄では、商社株の値上がりが目立ち、伊藤忠商事、住友商事が最高値を更新。海運株も高値圏でしっかり。個別銘柄では、三菱重工業、愛知時計電機が最高値を付けた。本日午前、2024年8月期第1四半期決算を発表し、大幅な増収増益が確認されたウエストホールディングスが急伸した。

(2024年1月12日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)1月分は、プロパンが前月比10㌦高い1トン620㌦。ブタンも同じく10㌦値上がりして630㌦となった。小幅高ながら、極東マーケットは足元で強弱感が交錯しており、先行きの方向感は乏しい状況。米国のプロパンスポット市況(モントベルビュー)は12月分が1トン357㌦と、前月から約25㌦値上がりした。依然として近年の安値圏での値動きではあるが、市中の在庫水準は過去5年平均並みまで減少しており、底堅さも見られる。

(2024年1月10日配信)

1月5日 2024年の年明けの東京株式市場は、能登半島地震を受けて4日の大発会は売り物先行でスタートしたが、新NISA開始に伴う投資資金流入などによる先高期待から押し目買いが優勢となり、結局、東証株価指数(TOPIX)は4日、5日と続伸した。

GENIX-CN70も12月最終週に続いて上昇し、5日終値は164ポイントと、5週ぶりに160ポイント台を回復。昨年9月15日にマークした最高値165.83に急接近した。指数構成銘柄では、大阪ガスが大幅高となり、5日に一時3111円まで上昇。12月13日に付けた最高値3077円を上回った。4日以降終値ベースでも初めてとなる3000円台を維持している。このほかでは、海運株が人気を集めており、日本郵船、商船三井が最高値を更新した。

(2024年1月5日配信)

12月29日 東京証券取引所最終売買日(大納会)は、今年1年の相場を象徴するような堅調な展開だった。その中でGENIX-CN70は前週に続いて上昇し、3週連続高で今年を締めくくった。GENIX-CN70の年間騰落率はプラス25%となり、東証株価指数の上昇率と互角の好成績だった。

GENIX-CN70構成銘柄の中で値上がりが目立ったのは、川崎汽船、日本酸素、栗本鉄工、愛知時計電機、関電工など。一方、不調だったのは、イーレックス、レノバ、テスHD、ウエストHDなどだった。なお12月末割り当てで、京セラが1株を4株、三菱商事は1株を3株に株式分割した。GENIX-CN70もこれに合わせて、株式分割の影響を考慮した修正株価指数を算出している。

(2023年12月29日配信)

12月22日 GENIX-CN70は前週に続いて上伸した。全般は高安まちまちだが、値がさ株の海運3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)がそろって本年高値を更新し、CN70を押し上げた。また、工場新設で恩恵を受ける理研計器が12月20日上場来高値を更新した。

海運株が動意付いたのは先週末。紅海で武装組織による商業船への攻撃が相次いだことで、海運会社がスエズ運河の航行を見合わせ、迂回経路による輸送距離の延長などで海運市況が上昇するとの思惑が働いた格好。海運株はコロナ禍前後の市況高騰局面で株価が5倍以上に跳ね上がっており、その記憶がまだ新しいだけに思惑が先行しやすいようだ。

(2023年12月22日配信)

12月15日 GENIX-CN70は3週ぶりに反発した。指数構成銘柄では、理研計器の株価が13日に上場来高値を更新。大阪ガスも同日最高値を更新し、未踏の3000円台に一時到達した。

岩谷産業の株価はコスモエネルギーホールディングスの筆頭株主になると発表した12月1日以降、大きく値下がりしたが、15日終値は7日ぶりにプラスに転じた。

14日に一時5996円まで下げ、4月初旬以来8カ月ぶりとなる6000円大台割れを見たことで、値ごろ妙味が台頭したようだ。9月高値からこの安値までの下落率は26%に達し、一株当たり純資産5249円も意識される水準となっていた。チャート面から当面の戻りめどを探ると、25日移動平均線の6866円、9月高値から直近安値までの下げ幅の半値戻し6770円など、6800円あたりが意識されそうだ。

(2023年12月15日配信)

12月13日 GENIX-CN70構成銘柄の大阪ガスが4日続伸し、一時3077円の高値を付けた。3000円台に乗せたのは上場来初。12日大引け後に、日本経済新聞が「伊藤忠と大阪ガス、世界最大級の水素生産に最大4割出資」と報じ、これを材料視する買い注文が朝方から集まった。

株価は11月初旬、自社株買いの発表を契機に大きく上放たれ、過去16年来の上値抵抗線となっていた2600円前後の節を突き抜けてきた直後とあって、しこり感のないチャート妙味も好感されているようだ。

12日に発表された欧州の水素企業Everfuelのニュースリリース

(2023年12月13日配信)

12月8日 GENIX-CN70は前週に続いて下落した。急速な円高進行や世界的な景気減速懸念を受けて、東京株式市場はこの日、ほぼ全面安となった。GENIX-CN70構成銘柄にも利益確定の売りが先行した。中でも、原油先物市況の下落を受けて、石油、造船、商社、海運株などが大きく値を下げた。

12月1日引け後にコスモエネルギーホールディングス株式大量取得を発表した岩谷産業は、週明け4日から株価が大きく下げ、発表前の終値7141円から8日安値6388円まで5日間で10%を超える下げとなった。9月の本年高値8040円からの下落率は20%に達している。アナリストからは「コスモエネ株取得に1千億円を超える大金を投じることについて、どのようなリターンを見込んでいるのか、できる限り定量的な説明が欲しい。株価の下げは合理的な反応。投資家は追加情報を待っている」との声が聞かれる。コスモエネ株が取得価格を割り込んでいることも嫌気されているようだ。

(2023年12月8日配信)

米原油先物価格(WTI)は12月6日、前日比2.94ドル安の69.38ドルと5日連続で値下がりした。節目と見られた1バレル70ドル台を5カ月ぶりに割り込んだ。9月に付けた本年高値93.68ドルからの下落率は26%に拡大するなど下値を模索する動きとなっている。

注目された11月30日のOPECプラス会合は、各国から自主減産(来年1~3月期に日量約220万バレル)が発表されたものの、想定の範囲内と受け止められたようで、相場の下落基調を反転させるには至らなかった。

相場が弱含んでいるのは、世界的な景況悪化に伴う需要減少への警戒があると見られる。「不動産不況が続く中国経済の停滞や、ここまでの利上げで減速が見込まれる米国景気などを考慮すると石油需要は伸び悩み、自主減産してもなお需給は引き締まらないのではないか」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部芥田知至シニアアナリスト)との指摘がある。当面は今週末発表される米雇用統計をはじめ、主要な経済指標を横目にみながら神経質な値動きが続きそうだ。

(2023年12月7日配信)

12月1日 岩谷産業(GENIX‐CN70構成銘柄)はこの日、コスモエネルギーホールディングスの株式を追加取得すると発表した。旧村上ファンド系と見られる既存株主から計約1740万株を1053億円で取得する。取得済みの持ち株と合わせた保有比率は19.93%となり、同社の筆頭株主になる。

1株当たりの取得価格は約6051円で、この日の東証終値5616円を約8%上回るが、価格の算定根拠については明らかにしていない。今後については、「より一層連携を深め、新たなシナジーを創出する」としているが、具体的な方向性はまだ示されていない。また、今3月期連結業績への影響については「精査中」としている。

サウジCP12月分は、前月と同価格の1バレル610ドル、ブタンも変わらずの620ドルとなった。

(2023年12月1日配信)

11月24日 東京証券取引所で三菱重工業(GENIX‐CN70構成銘柄)の株価が前日比529円高と大幅続伸し、およそ2カ月ぶりに8800円台まで水準を切り上げた。

同社は11月22日に防衛事業説明会を開催し、来年度からの3カ年は防衛力整備計画の大幅な拡充を受けて同社の事業規模は2倍以上になると発表した。過去長期にわたり同事業規模は5,000億円弱で推移していたが、来年度からの3カ年は1兆円規模になるとした。祝日をはさんでこの日は朝方から買いが先行、業績拡大への期待感を織り込む動きを見せた。株価が1万円に近づいていることから、株式分割を催促する値動きにも映る。

ガスエネルギー新聞が注目する同社のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも続いている。弊紙11月20日付では三菱重工エンジン&ターボチャージャの「水素混焼50%で安定燃焼、5700キロワット級ガスエンジン」を技術面トップで紹介している。また、同日付紙面には「水素特集」を掲載しており、三菱重工の高砂水素パークなどを詳しく紹介している。

(2023年11月24日配信)

11月14日の東京証券取引所で大阪ガスが4日続伸し、ザラ場の高値は2920.5円まで買い進まれた。11月7日にマークした上場来高値2914.5円を5営業日ぶりに更新した。10月27日発表の中間決算が好感されているほか、同日発表の自社株買いも歓迎されているようだ。マーケットでは、大阪ガスの株価格付けを従来から「買い」としていたみずほ証券が、目標株価を2600円から3300円に引き上げたとの情報もこの日伝わった。

大阪ガスの株価をローソク足(日足)で見ると、11月9日から10日にかけて、さらに10日から13日、13日から14日にかけても連続して窓「空」ができた。4本の陽線と「三空」で形成される高値圏でのこの形は「三空踏み上げ」と呼ばれ、チャートを投資判断のよりどころとする投資家は、空売りを仕掛ける急所とみる。同社株の信用買い残は、売り残が買い残を超過した状態にある。確かに目先は急伸した後だけに強弱感が対立しやすい場面と言えるが、この日の株価は株価純資産倍率が0.7倍台と依然として割安な状態にあることから、むしろ売り方の手仕舞い(買い戻し)による一段の上昇を読む向きもある。

関連記事 大阪ガスが上昇率首位、愛知時計は最高値を更新/GENIX―CN70 - ガスエネルギー新聞 (gas-enenews.co.jp)

(2023年11月14日配信)

 11月2日のGENIX‐CN70は3週ぶりに反発した。自社株買いを発表した大阪ガスが急伸し、最高値を更新したほか、業績好調の日本酸素、愛知時計も高値を更新した。

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の11月分は、プロパンが1トン当たり前月比10㌦値上がりして610㌦(前月比1.67%高)となった。ブタンは同5㌦値上がりして620㌦(同0.81%高)。プロパン、ブタンともに4カ月連続で値上がりした。

 LPG市況に影響を与える原油相場の値動きはこのところ重くなっているが、LPG市況はこれから需要期を迎える季節性もあって、先高観が根強いようだ。日本向け米国産LPGの航路に当たる中南米パナマ運河が、渇水の影響で渋滞解消に時間がかかるとの見通しも強気の見方を支えているようだ。

 CPのこの1年間の価格推移を振り返ると、プロパンは2月に790㌦のピークを迎え、その後は大きく値下がりして、7月に400㌦のボトムを付けている。ブタンも同様に2月の790㌦でピークを打ち、7月には375㌦の安値を付けている。

(2023年11月2日配信)

10月27日 GENIX-CN70は前週末終値から0.2ポイント下落して155.81と2週連続で下落した。東証株価も0.06ポイント下がって142.76となった。

10月以降、株式市場は調整色を強めており、9月最終週との比較ではGENIX-CN70、東証株価ともに約3%下落している。

GENIX-CN70の構成銘柄のうち9月末比で上昇したのは全体の2割16銘柄にとどまる。その中で愛知時計が本年高値を更新したほか、日本酸素、栗本鉄工、川崎汽船などが高値圏で頑強な値動きを見せている。

(2023年10月27日配信)

10月19日の米原油先物(WTI)価格は3日続伸。中東地域の紛争拡大への懸念が市況を押し上げた。

国際ガス市況も値上がりしており、欧州パイプラインガス先物価格(TTF)は13日に百万BTU(英国熱量単位)当たり16ドル台、スポットLNG価格は18日に19ドル台へと上昇している。

イスラエル沖の海洋ガス田(タマル)が操業を停止したと報じられており、このガスを原料とするエジプト産LNGの出荷に影響が及ぶ恐れが指摘されている。

(2023年10月20日配信)

 10月9日の米原油先物(WTI)市況は2日続伸し、1バレル前日比3.59㌦高の86.38㌦に上昇した。6日の米雇用統計は市場の予想を上回る数値で、長期金利上昇を促したが、原油市場は底固い動きを見せた。そこに、イスラエル・パレスチナ間で大規模な武力衝突が発生。中東の地政学的リスクが高まったことで、買い気が優勢となったようだ。また、本年高値を付けた9月27日以降の下げが急だったこともあり、買い戻しも入りやすかったと見られる。

 一方、連休明け10月10日の東京株式市場は、朝方から買い戻しの動きが広がりほぼ全面高でスタート。GENIX‐CN70構成銘柄もこのところ下げがきつかった石油株などが買い気配で始まるなど総じてしっかりした動き。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の芥田知至主任研究員は当面の原油相場について、「今回の武力衝突にイランの関与があるのかどうかなど中東情勢には不透明な部分があり、不安定要素が増えた格好だ。他方、このところの米長期金利上昇やドル高が原油相場を下押しするとの見方や、米欧の金融引き締め効果で石油需要が鈍化するとの懸念も根強い。さらに中国の不動産不況、全米自動車労組(UAW)のストライキ、米予算審議の難航なども需要を鈍化させる要因として意識されている。当面は地政学的リスクや需給などの強弱材料が交錯する中で、不安定な推移が見込まれる」としている。(了)

(2023年10月9日配信)

米原油先物が10月4、5日と続落し、1バレル82㌦台まで下落、8月30日以来の安値水準となった。4日は下落率が5・61%に達する大幅な下げで、下落率が5%を超えるのは5月2日以来5カ月ぶり。9月27日に付けた本年高値93・68㌦から5日までの下落率は12%強に広がった。市場では、米ガソリン在庫の急増や強含んでいる長期金利の動向を警戒。今晩の米雇用統計の発表を注視している。

一方、米天然ガス先物(HH)価格は3日続伸し、今年3月以来となる百万BTU(英国熱量単位)当たり3ドル台に乗せてきた。

(2023年10月6日配信)

米原油先物が10月4日、前日比5.01㌦安の1バレル84.22㌦と急反落し、8月31日以来の安値水準に後退した。1日の下落率の大きさは5.61%に達した。5%を超える大幅な下げは5月2日の5.29%以来、5カ月ぶり。市場では、同日発表された米石油在庫統計でガソリン在庫の急増が明らかになり、これが利益確定売りを誘ったとの見方が出ている。

JOGMECの首席エコノミスト・野神隆之氏は、「統計で明らかになった米ガソリン需要の低迷は、この時期としては2000年以来の低水準。他にもロシアの軽油輸出禁止の一部解除検討の報道、サプライズのないOPECプラス産油国共同閣僚監視委員会の内容などの弱気材料がそろって現れた。このため、市場は狼狽売りの様相を呈しているが、今年第4四半期に供給不足に陥るとの認識に変化はなく、市場のセンチメントが根本的に変化したとは言い切れない。原油市況は売られ過ぎ気味の領域に入りつつあり、値頃感から買い戻しが発生しやすい状況ではあるが、まずは明日6日発表予定の米国雇用統計が注目される」としている。

10月5日の東証は朝方、昨日までの大幅安に対する自律反発の動きとなり、TOPIXが6日ぶりに反発するなど全般に買い物優勢の始まりとなったが、原油の急落を受けて、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEXや石油資源開発など石油関連株は売り気配のスタートとなった。

(2023年10月5日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の10月分は、プロパンがトン当たり前月比55㌦値上がりして600㌦(前月比9.09%高)、ブタンは同50㌦値上がりして 615㌦(同9.82%高)となった。プロパン、ブタンともに3カ月連続で値上がりした。背景には原油市況の上昇が指摘されている。

(2023年9月29日配信)

東証9月28日前場の寄り付きは、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮など石油株が大幅高でスタートした。朝方は全般に利益確定売りが先行する中で、石油関連株の値動きの強さが目立った。石油資源開発は2008年以来、13年振りとなる6000円台に到達した。

 前夜27日の米原油先物(WTI)価格は前日比3.29㌦値上がりして1バレル93.68㌦となり、7営業振りに今年の高値を更新した。また、当面の戻りのめどと見られていた昨年10、11月に付けた92㌦台の高値を一気に上抜いてきたことで、市場関係者の間では先高ムードが一層強まっている。

(2023年9月28日配信)

9月22日の東証株価は前夜の米国株式下落を受けて、朝方から売り先行で始まった。GENIX-CN70構成銘柄も商社、海運株など総じて下落した。半面、INPEX、石油資源開発、ENEOSなど石油株の一角は底固い動き。GENIX-CN70は前週末比2.08ポイント下落して164.04ポイントと5週ぶりに下落した。

21日の米原油先物市場は、米金融政策の引き締め長期化懸念が台頭し、利益確定売りに押された。期近終値は前日比0.65㌦安い89.63㌦と、3日続落し、6営業日ぶりに1バレル90㌦台を割り込んだ。

9月25日付紙面の関連記事「原油100ドルが視界に サウジ減産の影響を注視」

(2023年9月22日配信)

9月14日の米商品先物市場では、原油先物(WTI)価格が2日ぶりに反発し、終値は前日比1.64㌦値上がりして1バレル90.16㌦と、当面の節目と見られていた90㌦大台を突破した。90㌦に乗せるのは2022年11月7日の91.79㌦以来、10カ月ぶり。市場関係者の間では、原油需給の引き締まり感から先高を予想する声が強まっている。

原油市況の上昇を受けて、15日の東証ではGENIX-CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事といった、石油やエンジニアリング、商社など資源関連株が一斉に買い進まれた。INPEXは2008年以来、この週急伸した日揮は2018年以来の高値水準。

(2023年9月15日配信)

9月13日の東京証券取引所では、朝方からINPEX、石油資源開発、ENEOSなどGENIX-CN70構成銘柄の石油株が買い先行でスタートし、本年高値を更新した。前夜12日の米原油先物価格(期近終値)が前日比1.55㌦高の1バレル88.84㌦と反発し、約1週間ぶりに本年高値を更新したことが買いの手掛かりになっていると見られる。

原油市場では需給に引き締まり感が指摘されるなど、市況は当面強含むとの見方に傾斜しているようだ。ENEOSのこの日の株価は4年8か月ぶりとなる600円台を目前に捉えている。INPEXは2008年10月以来、石油資源開発は2009年6月以来の高値水準に来ている。

米原油先物は2008年に145㌦の最高値を付け、2011年から2014年にかけて100㌦前後で推移していた。最近の石油株は原油100㌦時代の再来をあたかも織り込むかのような値動きを見せている。

(2023年9月13日配信)

9月8日の東京株式市場は、前夜の米国株式市場の下落を受けて、朝方から利益確定売りが先行する展開となったが、この週のGENIX-CN70は前週末比1.67ポイント上昇して161.86と3週連続値上がりし、前週に続いて指数算出以来の高値を更新した。この週は三菱重工、川重重工、三井物産、石油資源開発などが指数をけん引した。

原油先物価格(米WTI)は9月7日、前日比0.67㌦安い1バレル86.87㌦と、10日ぶりに値下がりし、前日まで値上がりが目に付いたINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事などの資源関連株には利食い売りが広がった。

また、個別では、このところ物色人気を集めていた三菱重工も6日ぶりに反落した。半面、三菱重工の急上昇に対して出遅れ感が台頭していた川崎重工はこの日も買いが途切れず逆行高、10連騰となった。

三菱重工の本紙最新ニュース:長崎で脱炭素基盤技術 既存拠点連携し開発推進/三菱重工

川崎重工の本紙最新ユース:世界初ドライ式水素タービン、NOx抑制と高効率を両立/川崎重工
(2023年9月8日配信)

市況情報

【紙上技術紹介特集】

【紙上技術紹介特集】

ガスメーターや警報器、ガバナーなどのガス関連機器メーカー、システムベンダーは、需要家のニーズに対応した製品・システム開発を進めている。ガスエネルギー新聞は、各社の最新技術・製品・システムを紙面で紹介する。

●I・T・O―防災対応システムBOGETSを提案〇問い合わせ営業本部業務課(電話)072―981―3781

ガス供給機器メーカーのI・T・O(旧伊藤工機)は、地震や台風でライフラインが停止した時に、LPガスを利用して、都市ガスと電気をつくることができる防災対応システム「BOGETS」の提案を行っています。BOGETSは、液化石油ガスエア(プロパン・エア)発生装置「NewPA」、ガス発電機、耐震LPガス容器スタンド、都市ガスとプロパン・エアーガスを切り替えるワンウェイロックバルブなどで構成され、災害発生から72時間をしのぐことをコンセプトに開発されました。

システムの根幹をなすプロパン・エア発生装置「NewPA」の起源は1995年の阪神・淡路大震災まで遡り、この時に初めてガス事業法の下で運用を行い、被災地にて臨時のガス供給を行いました(製品名は移動式ガス発生設備)。

その後、2007年に発生した新潟県中越沖地震での災害対応で注目され始め、11年の東日本大震災でも活用され、その存在が広く認知されるものとなりました。12年10月には経済産業省から通達が出され、これまではガス事業者のみが所有することが認められていた同装置を高圧ガス保安法の下で一般需要家でも所有し、設置することが認められました。

しかし同装置の有用性は認識されたものの、従来型では手動による都市ガスラインとプロパン・エアーラインの切り替えなど複雑な作業が必要で専門性も高く、操作要員の確保が課題でした。これらの問題を解決したのが、冒頭の防災対応システムBOGETSとなります。

ガスに関する専門知識がなくても、簡単に操作できるよう、操作画面の表示と音声ガイドで手順を分かりやすくナビゲーションし、制御盤内のタッチパネルを操作していくだけで装置を稼働できるシステムとしています。19年にはコージェネ財団より「新型プロパン・エア発生装置を用いた防災減災対応システム」としてコージェネ大賞技術開発部門特別賞を受賞し、さらに22年にレジリエンスジャパン推進協議会より「寝屋川市立中学校体育館の空調設置に合わせた防災減災対応システム『BOGETS』導入による避難所のレジリエンス強化」として最優秀賞を受賞しています。

I・T・Oでは現在、全国の自治体に小中学校の体育館空調のバックアップ用として防災対応システムBOGETSの導入提案を行っています。最近は学校などの公共施設のほかにも、病院や老健施設、高級マンションからも防災のため、引き合いが増えてきています。

●オータス―進化を続けるオータスAI技術、API提供で他サービスとの連携も実現○問い合わせシステム営業部(電話)022-712-7571

オータスは、基幹系業務パッケージシステム「GamcisSMART+(ガムシススマートプラス)」、顧客向けポータルサイト「GamcisPortal(ガムシスポータル)」、セールスフォースを活用した営業支援システム「GamcisCRM(ガムシスCRM)」などのガス事業者の業務をトータルサポートするシステムを開発、提供、運用支援等のサービスを行っております。

そして現在はこれらのパッケージシステムに加えた「ガス事業者向けAIソリューション」としてAIに関する製品開発と普及活動に注力をしており、全国のガス事業者に対して業務効率化に関する支援を展開しております。

「より身近な業務にAI技術を」というコンセプトの下、全国各地の都市ガスユーザーをご支援することで蓄積した業務運用支援ノウハウを生かし、ガス業務に活用できる画像認識技術、文字認識技術を始めとしたAI技術で皆さまのお役に立つことを目指しております。

そうした画像認識の技術を確立し、オータスでは「メタリス」という製品を開発しました。

メーターに付随した情報(型式、号数、社番、検満年月など)をカメラで読み込んだデータをAIにてテキスト化し、アプリに取り込むことでモバイル端末での手打ち作業を軽減させます。現場サイドで行っていた擦り取り作業をなくし、データエントリー業務の効率化を図れます。また、作業依頼者・管理者側では作業指示書等の帳票類のペーパーレス化、画像付きでの報告ができるので情報共有の正確性を高めることができます。また、CSV抽出機能がデフォルトで装備しているため、お使いの基幹系システムと連携を図ることも可能です。また、ウェブアプリケーションのため、どのようなOSでも使用できます。スマートフォン、iPadなどのタブレット端末などハードウェアには依存しません。既存のハードウェアから活用できます。

さらに最近では、既存ホームページの器具修理問い合わせページに対してAPI提供を実施し「部品」としての提供を行っております。顧客が撮った写真をAIにてテキスト化し表示することでスピード感のある御見積提出や対応に関する支援を実施しております。

また、倉庫管理業務の実例としては使用している帳票類に記載された文字の読み取りを行うことで照合作業の簡略化などの支援も可能としております。読み取ったデータや照合結果をテキスト化し既存の基幹系システムと連携を図ることでバックオフィス業務の負担も軽減します。他社基幹系システムとシームレスな連携を図ります。現在は工事関連業務での展開を企画しております。

今後の技術面の展開としては、映像解析AIの開発に取り組んで参ります。より多くの情報をAIでデータ化し、情報の蓄積を重ねることでさらなる納入企業における業務改善に寄与いたします。どのようなことでも構いませんので気軽に問い合わせいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

●新コスモス電機―さらに機能を拡充した新しい「ガス警報器」「火災警報器」○問い合わせリビング営業本部(電話)06―6308―2310

当社が世界で初めて開発した家庭用ガス警報器は、ガス漏れをブザーで警報するタイプからスタートし、音声による警報、不完全燃焼による一酸化炭素(CO)検知、火災による熱や煙の感知など機能を向上させてきました。

◇発話機能でスマートな生活を実現するガス警報器「しゃべりお」

家庭用ガス警報器は、台所のガス漏れを検知することで安心・安全を顧客にお届けする重要な役割を果たしています。近年当社では、熱中症になりやすい環境や空気が乾燥しインフルエンザ等にかかりやすい環境をお知らせする機能を持つタイプや、インターネットに接続してスマートフォンで警報器の鳴動状況やドアの開閉などを確認することができるタイプなど、新たなサービスを付加した家庭用ガス警報器を開発しています。

2023年2月に発売した「しゃべりお」は、ガス漏れなどを検知する従来の機能に加え、インターネットに接続し気象警報や天気予報などを発話する警報器です。昨今防災意識が高まる中、お住まいの地域の気象警報を警報器がお知らせすることでより安心・安全をお届けすることが可能です。またライフスタイルの多様化が進む中で、あらかじめ設定したタイミングで天気予報を知らせたり、内蔵された人感センサーを用いて家族の帰宅をメールで通知したりと、スマートで豊かな生活を実現するさまざまなサービスを提供します。

◇一酸化炭素(CO)検知で、火災をより早くお知らせ「PLUSCO(プラシオ)」

2011年にすべての住宅で火災警報器の設置が義務化されて以降、住宅火災の死者数は微減傾向にあったもののここ数年は横ばいとなり、現在も年間約900人が命を落としています。消防白書によると、建物火災の死因の約4割が「一酸化炭素中毒・窒息」によるもので、火災における一酸化炭素検知は大変有効です。

2022年9月に発売した「PLUSCO」は、COを検知することで、火災をより早くお知らせします。「火災から一人でも多くの命を救いたい」という想いから開発されました。CO濃度が100ppmを検知すると、LED点滅と音声でCO注意報をお知らせするとともに、煙センサーの感度を自動的に2倍に引き上げます。それにより、通常煙濃度5~15%/mで火災警報を発報するところを2・5~7・5%/mと約半分の煙濃度で、より早く火災をお知らせします(CO反応式)。

●新和産業―低価格で高性能な地震計を全国のガス事業者へ○問い合わせ営業本部(電話)06―6683―0701

新和産業は、地区ガバナー非防爆エリアやガス事業者の本社屋などへの設置を想定した地震計(スリーエス地震計SW―5033)を8月から販売しています。同製品は、新和産業が持つさまざまなニーズ情報を基にセンサーメーカーのIMV(大阪市)が開発した製品で、従来のガス事業者向け地震計に比べ価格を大幅に下げており、地震計の追加設置や更新を計画するガス事業者に向けて提案を進めています。

スリーエス地震計は、従来品の地震計に比べてコンパクト化し、高さ90×幅70×奥行40ミリメートルのサイズを実現しており、設置場所を選びません。また、防水防塵構造を採用したことで、安心して屋外に設置することができます。さらに、耐衝撃性能を高めており、運搬時や設置時に万一落下させても破損の可能性を軽減できます。

電源にはDC12ボルトを使用し、地震発生時にSI値(カイン値)と加速度(ガル値)のデータを制御盤へ同時出力します。また、テレメーター経由で監視センターに送信する事でガス事業者はリアルタイムで、SI値(カイン値)と加速度(ガル値)を容易に確認でき、ブロックごとの遮断などの判断ができます。

IMVは、振動に関する技術を多数保有し振動計測に関しても50年以上の実績があります。この度、この技術を生かし新たに地震計用の振動センサーを開発しました。従来品よりも低コストのセンサーですが、既存製品に搭載されている3軸センサーと同等の性能を備えています。また、防爆性能を除き機能をシンプルにしたことで、製品全体の低コスト化を実現しています。

国のガス安全高度化計画では、地震対策の強化をガス事業者に求めています。ガス事業者に対して、地震の被害状況を的確に判断し、ガス漏えいによる二次被害が懸念されるエリアは迅速な供給停止を行うことが基本であるとしています。同時に、被害が軽微なエリアについては、供給を継続することが求められます。こうした対応をとるには、供給ブロックの細分化を進めて供給エリア内に地震計を設置し、即時に供給停止を行う体制が必要です。ただ、ガス事業者の中には、コストの高さなどから地震計設置をちゅうちょするところも多いのが実状です。

新和産業は、低コストで高性能の地震計として、製品をガス事業者に提案しており、単位ブロックごとに複数個の地震計設置を進めたい考えです。

●JFEエンジニアリング―中圧ノーブロー工法、適用口径の拡充および装置国産化○問い合わせエネルギー本部営業統括部ガス営業部(電話)045-505-7141(代表電話)

当社と東京ガスネットワークは、活管分岐・遮断工法である中圧ノーブロー工法に使用する継手のラインナップを拡充することに成功しました。これまでの100A~750Aの継手ラインナップに新たに小口径の80Aを加え、これにより小口径を保有するガス事業者に対しても本工法を提案できるようになりました。さらに、ノーブロー施工装置の国産化開発により、施工装置の提供・補修も可能となりました。

ガス導管工事においては、新規需要に対応するための分岐工事や他工事に伴う移設工事、設備更新に伴う取替時の遮断工事などが多く発生します。通常は、これらの工事は上下流のバルブを操作し、ガス供給を停止または本管内を減圧してから施工しなければならないため、需要家との調整など多くの制約がありました。しかし本工法は、これらの調整が不要であり、さらに運用中のガス導管に対し活管状態で分岐工事や遮断工事ができるため、需要家への供給を継続したまま工期の大幅な短縮が可能となります。

当社は、ガス事業者の強い要望を受け1982年から海外技術を国内導入する形でノーブロー工法の開発を行い、小口径から順次現場適用を進めてきました。継手構造の改良を重ねた後、1995年より現方式の施工法が確立されましたが、継手・施工装置とも海外から輸入して施工していたため、継手の発注から納品までに半年以上のリードタイムが必要でした。

さらに施工装置の修理・メンテナンスにも時間を要し、材料供給の調整や施工装置トラブルへの迅速な対応も困難でした。そこで、2011年より東京ガスネットワークと共同で、主要な口径である100A~300Aの継手国産化に取り組み現場導入を進めてきました。

さらに2020年からはノーブロー施工装置の国産化にも成功し、2024年度から現場導入予定となりました。これらの開発・国産化により、今まで提供してきた材料供給・敷設施工のサービスに加えて、施工装置の提供・補修にも対応可能となります。今後も当社では、適用口径の拡充を推し進めるとともに、ガス事業者の多様なニーズにお応えしてまいります。

●アークエルテクノロジーズ―都市ガス事業会社向け温室効果ガス(GHG)排出量算定・可視化サービス○問い合わせアークエルイーカーボンフォーエナジー事業部担当者小堺理史(こざかいさとし)メールアドレス:eCarbon@aakel.co.jpサービスサイト:https://aakel.co.jp/ecarbon

「AAKELeCarbonforEnergy(アークエルイーカーボンフォーエナジー)」は都市ガス事業者向けに特化した温室効果ガス(GHG)排出量を算定・可視化サービスです。このサービスは、一般的な共通機能に加え、都市ガス事業会社特有の課題を解決する三つの機能の特徴があります。

(1)他燃料から天然ガスへの燃料転換等によるGHGの削減貢献量の算定機能(2)拠点・事業セグメント別の集計機能(3)原単位による目標設定機能を備えています。(1)の削減貢献量は、スコープ4という新たな概念として近年注目を集めています。具体的には、自社の製品・サービスを提供することで、社会全体で見たときのGHG排出量の削減に貢献した量を指します。削減貢献量の可視化は、エネルギー業界全体が脱炭素化社会へ移行を加速させる上で非常に重要な課題として認識されています。都市ガス事業者は、他燃料から燃転した企業に新たにガスを供給すると、供給量の増加に伴いスコープ3は増加してしまいます。その一方、社会全体で見るとGHG排出量は削減できることになります。都市ガス事業者はGHGの排出量とは別に削減貢献量を算定・公表することによって企業の価値向上につながります。当社の削減貢献量算定機能は、経済産業省の「温室効果ガス削減貢献量ガイドライン」に基づき、大手都市ガス事業者と共同で開発しています。

(2)の拠点・事業セグメント別の集計機能があることによって、拠点グループやセグメントを設定することができます。そのため複雑な事業体でもさまざまな単位で集計することが可能です。

(3)原単位による目標設定機能も備わっており、拠点ごとに原単位で目標設定が可能です。原単位は延べ床面積や売上高など自由に設定可能なため、目標設定や管理の煩雑さを解決することができます。

当社が「AAKELeCarbonforEnergy」の開発に乗り出したきっかけは、当社の既存事業であるDX支援やGX支援を通じて都市ガス事業会社の課題に直面したことでした。2022年よりプライム市場の上場企業に気候関連情報の開示が義務化され、対象事業者だけでなくサプライチェーンに当たる企業もカーボンニュートラルに向けた対策を求められるようになりました。都市ガス業界にカスタマイズ開発した「AAKELeCarbonforEnergy」は、GHG排出量の見える化だけでなく、燃料転換等による社会全体の削減貢献量を可視化することで、都市ガス事業者のカーボンニュートラルを支援します。無料のトライアルも行っていますので、是非お問い合わせください。

●アズビル金門―ガス事業者とガス利用者をつなぐ「スマート保安ソリューション」のご紹介〇問い合わせ営業本部SMaaS事業推進部(電話)03-6258-5352営業本部ガス機器営業部(電話)03-6258-5343

高機能普及型膜式スマートメーター「NX―U/JX―U」とガス事業者向けクラウドサービス「ガスミエールC」について紹介させていただきます。「NX―U/JX―U」は、検針業務等の移動コストを削減するUバス通信を有しており、従来からご使用いただいているメーターからの改造による有効利用が可能なこと、震度5強相当の揺れを検知して感震遮断後、自動的に漏えい確認を行い復帰する機能を有していること、保安機能向上のため圧力センサを採用していることが特徴です。「ガスミエールC」は、検針員不足やヒューマンエラーを解消したい、災害などの非常時に現地の圧力状態を迅速に把握したいといったガス事業者の生産性向上に貢献いたします。メーターで取得したデータをクラウドに送信し、粒度の細かいデータを活用することが可能なガス事業者とガス利用者をつなぐクラウドサービスです。

「メーターデータクラウドサービス(MDCS)」について紹介させていただきます。このサービスは大容量メーターのデータ収集を自動化し、当社のクラウドサーバーにアクセスするだけで、時間や場所を問わず需用家のガス使用量データをご確認いただくことが可能です。

例えば、過去と現在の使用量の比較や、1時間単位の使用量を確認することで、需用家の状況の変化などを早期に気づくことができ、最適なタイミングで料金メニューやサービスの提案を行うことが可能になります。さらにお客さまのニーズに合わせたさまざまなサービスプランをご用意しています。そのうちの一つ「おまかせパック」は、メーターと計装機器を当社で管理することで、ガス事業者でのメーター交換などの期限管理やメンテナンスなどの業務改善、負荷軽減や総資産利益率向上といった効果が期待できます。データの活用をさらに進める機能を追加するさまざまな検討を行っております。今後の取組みについても、「ガスミエールC」とともにご期待ください。

●光陽産業―バイパス機能付きメーターユニット〇問い合わせ第二営業部(電話)03-5702-1221

当社は、北海道ガスと共同開発した「バイパス機能付きメーターユニット」の量産準備を進めており、来年春ごろ販売開始を予定しています。

通常ガスメーターを交換する際に、ガス供給が停止され、その間顧客は、ガス機器を使用できなくなります。そのため、事業者によるメーター交換作業は、ガス供給停止のため、作業周知や、在宅調整、不在による待機、再訪問による対応が問題となっております。

近年、設置が増加しているエネファームは、24時間稼働に加え、停止後の再稼働に時間がかかる機器であり、あわせて業務用需要家においては、24時間営業や日中のガス停止調整が難しい顧客への対応に苦慮しております。

ガスメーター交換時にガス供給を停止させずに作業できれば、ガス機器使用中、顧客の在、不在にかかわらず、交換作業が可能となります。

この課題に新しく開発を行ったのが、「バイパス機能付きメーターユニット」です。

特徴として、入口管と出口管をバイパス管でつなぎ、ガス供給をしたまま、ガスメーターの交換が可能となります。

これにより、いままで顧客の都合による作業であったものが、事業者による計画作業にすることができます。

現在、試験評価が終了し、2020年より、マンション、戸建て住宅、24時間営業の飲食店等に、モニター施工を順次実施しています。

製品構成

入口管、バイパス管、出口管それぞれに切り替えバルブを有し、それらを固定する固定板とともに構成されています。

特徴

(1)三つの切り替えバルブの操作により、ガス供給を停止させずにガスメーターの交換が可能です(三つのバルブは、JISS2120ガス栓の基本性能に準拠)。

(2)専用工具で切り替えバルブを操作するため、誤操作防止、ガス盗用の防止機能が備わっています。

(3)出口管の検査口よりガスメーター交換後のガスメーター内のエアパージが可能です。

●大東電材―新型PE管防護材「パイプフィットガード」〇問い合わせ中部北陸支店(電話)052―931―7576

大東電材は、2019年12月、東邦ガスネットワークと共同で中圧ポリエチレン管(PE管)の他工事対策として、新型の防護材「パイプフィットガード」を開発しました。東邦ガスネットワークでの採用だけでなく、現在大東電材では同製品の他事業者への積極的な外販活動にも取り組んでいます。

PE管は優れた耐震性を持つ一方で、鋼管や鋳鉄管と比べて耐衝撃性は低いです。特に中圧に用いるPE管はガス事業者以外の工事による損傷事故が起きた場合の影響が大きく、事故によるガス漏洩を防止するため、防護措置が必要とされます。

大東電材では、これまで防護シートをPE管に巻き付けて防護する『PE管防護材(Sタイプ)』を製品ラインナップしていましたが、今回、防護シートと2種類の防護板を用いることで大型の掘削機の打撃に対してもPE管を防護できる新製品「パイプフィットガード」をリリースしました。

同製品は、PE管本体に巻く「防護シート」と、PE管の側面を防護する「側板」、そしてPE管上部を防護する「天板」で構成されています。側板は150Aと200A用のPE管側面に密着する円弧形状を採用し、施工性と防護性を高めました。また、左右の側板を連結ひもで結ぶ構造とし、持ち運び易さだけでなくPE管への取付け作業の容易性にも貢献しています。さらに、側板は積み重ねることができ、曲率が変化することなくコンパクトに保管ができます。

天板は、従来の防護板(幅42センチメートル)よりもコンパクトなサイズ(幅35センチメートル)を採用し、細幅掘削や小口径PE管の防護にも適用できます。

施工手順は、(1)地上でPE管を融着した後、防護シートを巻き付ける(2)連結ひもで連結した側板をPE管に取り付ける。(3)埋設する位置までPE管を吊り下ろす。(4)既設管と新設管を接続する(5)埋め戻しながらPE管の上部に天板を設置する。(6)標識シートを天板の上部に埋設し、他工事業者への安全措置を取る(7)埋設場所を完全に埋め戻して道路を復旧する――となっています。

大東電材は、東邦ガスネットワークと共同開発した「パイプフィットガード」を通じて蓄積した技術ノウハウを活用し、中圧PE導管へのPE管適用を拡大するガス事業者のニーズに応えるべく製品開発に継続して取り組んでいきます。

●トキコシステムソリューションズ―高精度で広い流量レンジに対応超音波ガスメーター「S2ソニック」〇問い合わせインフラ・エンジニアリング営業部部長松岡研(電話)050―3852―5428

超音波ガスメーター「S2ソニック」は、東京ガス、ソニックと共同開発した製品です。当社が創業以来培った各種ガス等の「流体」を計測・制御する技術をさらに磨き上げ、業界の発展に寄与する製品開発を継続してまいります。

ガスメーターに対するメンテナンスフリーや故障発生率低減のニーズを受け、可動部がなく広い流量レンジで高い信頼性をもつ超音波ガスメーターを開発、2011年4月から実用化しました。中圧領域(0・04~1メガパスカル)で使用可能です。

(1)高精度で広い流量レンジに対応

広い計測範囲(流量レンジ1:40、ローカット流量200分の1)で高精度な計測が可能です。矩形管路により上流配管等の流速の影響を受けにくくなっています。

(2)流速変化に即応

一対の金属製センサーが発信と受信を交互に繰り返す時に、超音波の時間差が流速に応じて変化する超音波方式を採用しました。高頻度の送受信で急激な流速変化にも即応します。

(3)ダスト・ミストや逆流に強い

ガス配管中のダストやミストなどの影響をほとんど受けません。使用状況によりガスが逆流した場合でも、正流・逆流を判別して、流量計のカウントアップを防止します。

(4)表示部一体化構造(負荷機能)と通信機能

指針、アラーム表示部とデマンド表示部を一体構造化しているため、大口取引契約のための負荷記録計の追加設置等が不要です。専用通信ユニットとの接続により、センターからの遠隔監視や、自動検針への対応が可能です(専用機能のため、対応できない場合があります)。

●東京ガスエンジニアリングソリューションズ―避難所等の電源確保に役立つハイブリッド式小型非常用発電機○問い合わせ首都圏エンジニアリング営業部(電話)03―6452―8418

東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)は激甚化する災害等による長期の停電対策として、小型で取り扱いの簡便なハイブリッド式小型非常用発電機「G―Sketto(ジースケット)」を開発・販売しています。

この発電機は、レース用エンジンメーカーのYGK通商と同社が共同で開発した都市ガス・LPガス切り替え対応可能な小型非常用発電機(単相100ボルト/200ボルト仕様、出力3キロボルトアンペア)です。

自然災害等により停電が発生すると、約40秒で起動し、自動で電力供給を開始し、停電復帰後は自動で商用電力へ切り替わります。

燃料はガス体であるため、油タンクの設置や、手間のかかる長期の燃料貯蔵による劣化や変質への対応管理が不要で、燃料によるトラブルリスクが低いのが特長です。さらに新開発のマルチ燃料対応ミキサーを搭載したことで、エンジンの調整を行わずにバルブひとつで都市ガスとLPガスの切り替えが可能となりました。これにより、万が一、都市ガスが途絶えてもLPGボンベ(30キログラムボンベ×2本)を用意するだけで72時間連続運転ができます。

非常用ニーズに特化した小型発電機のため、電気とガスを接続するだけで稼働することができ、軽量(乾燥重量250キログラム以下)・コンパクトなサイズ(幅946×高さ1142×奥行き562ミリメートル)で建物近傍の屋外空きスペースや屋上にも設置できます。

昨夏の発売以来、非常用電源ニーズの高い施設から数多くの問い合わせをいただいております。照明や情報機器の電源や充電に適した製品です。

運用に当たっては、保守会社とのメンテナンス契約を締結していただき、いざという時にも確実に作動するための動作確認(1回/年)を行っていただきます。

なお、モジュール化構造を採用し、エンジンや発電機を整備品と交換する仕組みを採用し、メンテナンスにかかる期間を短縮しています。

また、リモートで発電機の発電・停止を行ったり、運転状態を確認するサービスを付加することも可能です(別途SIMカードの契約が必要)。

現在、「G―Sketto」は、マンション、コンビニ、飲食店・外食、医療関係等の施設のポンプ、冷凍・冷蔵庫などの動力に対応する三相200V仕様の開発を進めており、新たなニーズに対応していきます。そのほか、12Aガスへの対応や、脱炭素化を見据えて、水素、バイオガスへの対応も視野に、さまざまな技術開発を進めています。

今後、「G―Sketto」は、暮らしや事業を守る製品として、皆さまに安全と安心をご提供するとともに、都市ガスの位置づけ(非常時の電源供給・レジリエンス機能)を向上させる機器として普及を推進します。

●ブレインジェネシス―ガス需要家向けウェブ請求需要家ポータル「CSポータル」○問い合わせ経営戦略部(電話)03―6424―7767Eメールinfo@braingenesys.co.jp

自動検針の普及、紙使用量やCO2削減などのSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み機運の高まり、需要家利便性の向上などの観点から、ガス需要家向けウェブ請求・需要家ポータルのニーズはますます高まるものと考えられます。

ブレインジェネシスが提供する「CSポータル」は、PDFとして作成した請求書ファイルをアップロードすることで、従来の紙請求書とほぼ同様の請求書イメージを需要家にお届けできるガス需要家向けウェブ請求・需要家ポータルです。CSポータルを利用すると、これまでの紙請求書の発行に必要だった請求書用紙代、印刷費、封筒代、郵送費、人件費などのコスト、手間、時間を大幅に削減できます。

当社製のガス基幹システム(SuperXシリーズなど)以外の他社製ガス基幹システムをお使いの場合でも、特定のルールでファイル名を付与した請求書PDFが出力できればCSポータルと連携することができます。

また、その請求書PDFに一定の事項が記載されていれば、売り手が発行する適格請求書(インボイス)とすることも可能です。

当社は2022年10月に「カナデンブレイン」から「ブレインジェネシス」へ社名変更いたしました。全方位にわたるデータの利活用でガスエネルギー事業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進できるガスエネルギー事業統合情報システム「SuperX03」、需要家数1千件の販売店で月額3万円から利用可能なクラウド型LPガス販売管理システム「みねるば」、当社製以外の販売管理システムでもスマホ検針を可能にする「検針スマホ・ハブサービス」など特色ある自社製品を有しており、これら自社製品や協業各社のさまざまな製品などを組み合わせてベストなソリューションをご提案しております。

エネルギー自由化時代の激しい環境変化の中、この機会を絶好の飛躍のチャンスと捉え、総合エネルギー事業者として変革を続けられるガス事業者とともに、いま何が大事なのか、何をすべきか、を考え、新しい事業の仕組み作りに向けたご提案、問題解決をタイムリーに行うことで、ガス事業者を強力にご支援いたします。

●ニシヤマ―「自家消費PV+EV充電器」脱炭素社会貢献に向けたエネルギー分野アイテムを紹介○問い合わせ営業本部ITソリューショングループ(電話)03―5767―4422

ニシヤマは1916年に創業し、エネルギーからプラント、輸送、機械設備、情報通信、半導体、インターネット商取引などの分野で、「技術開発型」専門商社として活動しています。特に、エネルギー分野は、化石燃料エネルギーの価格高騰への対応、世界中でのSDGsやRE100の取り組み等が加速しており、目まぐるしく環境が変化しています。

当社は、こうした市場変化にも企業理念である「お客さまの最適をお届けします」をもとに柔軟な対応と新しい価値をお届けする活動を進めています。当社の取り組みの一例を紹介させていただきます。

○事業者向けスマートエネルギーシステム

ニシヤマは現在、脱炭素社会が加速する中、その施策の一つとして注目されている自家消費太陽光発電(自家消費PV)+電気自動車(EV)充電器を組み合せた「事業者向けスマートエネルギーシステム」を提案、推進しています。当社の太陽光ビジネスは、10年程前に中国での太陽光パネル(OEM品)の生産ビジネスから始まり、全量売電(FIT)式の太陽光ビジネスへ移行しました。FIT買取り価格下落や国からの支援も重なり当社も、これまで培ってきた太陽光発電ビジネスのノウハウを生かし、パートナー企業と連携しながら「事業者向けスマートエネルギーシステム」にワンストップで対応する体制を構築しています。この取り組みを、当社は本格的な脱炭素社会実現への対応、参画へのワンステップとも捉え、注力していきます。

○事業者向けスマートエネルギーシステム導入メリット

ニシヤマが提案、推進している事業所向けスマートエネルギーシステムは、自家消費PVと、EV充電器を合わせることで、よりスマートな電力運用を実現できます。導入メリットの一つが、昨今、企業の経営を圧迫している一因である電気料金の高騰化対策です。また、CO2排出量の削減+企業のイメージアップにもつながります。さらに、充放電可能なEV電器を組合せることで、EVを蓄電池代わりにし、災害時にEV充電器を通してEVの電気を事務所に送り一時的なライフラインの確保が可能にもなります。

導入実績は22年度が20件ほどでしたが、23年度上期の時点で同等の受注をいただいており、前年比2倍近くの受注を見込んでいます。また、当社本社にも、事業者向けスマートエネルギーシステムの導入を進めており、社内運用や顧客の来社時に見学いただける設備としても活用する見込みです。

事業者向けスマートエネルギーシステムを導入いただくと顧客とは10年、20年と長きに渡るお付き合いとなります。担当社員だけではなく、社内全体に向けた勉強会を実施し、システムへの理解を深め、営業体制とアフターフォロー強化などの対応を継続します。

また、より当社を親しんでいただけるように西山社長をキャラクターに活用したチラシやホームページの作成にも力を入れています。脱炭素社会が今後どのような方向性になるのか、未知の部分もありますが、今できることに最大限取り組み、脱炭素化に貢献していきたいです。ナレッジを蓄積しながら、変容する時代とそのニーズに、柔軟に対応し続けていきます。

●ヤンマーエネルギーシステム―ZEB対応を見据えた高COP、室外機13馬力にこマルチを発売〇問い合わせホームページhttps://www.yanmar.com/jp/energy/ghp/

ヤンマーエネルギーシステム(本社・大阪市)は、最新モデル(Lシリーズ)のZEB対応を見据えた高定格効率(COP)室外機13馬力にこマルチを10月に発売しました。

ZEBとはNetZeroEnergyBuilding(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。ZEBの評価指標は設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除したBEI(BuildingEnergyIndex)値で決まります。例えば、ZEBReadyのBEI基準は0・5以下です。

空調熱源機のエネルギー消費量は、COPに熱源機器分類で決まった部分負荷効率特性を乗算した値で、空調熱負荷をさらに除すことで求められます。従いましてCOPの高いGHPがZEB物件に採用されるための有利な条件となります。

今回当社が発売したモデルは形式YWZP355L1DB(13A/LPG燃料種兼用)でCOPは冷房1・39、暖房1・55で、GHPではトップクラスです。また、にこマルチ化したことで16馬力、20馬力、25馬力との連結制御運転が可能となり、部分負荷効率が下がる低負荷時に13馬力を優先運転することで全体の部分負荷効率を向上させることが可能となりました。

計算上(国交省建築研究所ホームページ掲載サンプルプログラム利用)では当社25馬力単機とにこマルチ連結タイプ13馬力2台を比較した場合のBEI(空調のみ)値は単機設置が0・51に対して連結設置では0・41と約20%低減する結果となります。

高COPモデルは冷暖平均COP1・3以上の機種を示し、当社では13馬力の他に16~25馬力も高COPラインアップとなりますので、今後需要が増加するZEB対応には当社GHPのご検討を宜しくお願いします。

●矢崎エナジーシステム―道路交通法施行規則の改正に合わせアルコール検知器を開発○問い合わせガス機器事業部企画部(電話)053―925―4511

今年12月1日に施行された改正道交法を受けて、自社製のアルコール検知器と管理アプリをセットで提供するサービスを開始しました。今回の改正では一定台数の白ナンバーの車両を業務に使用する事業者に対し、(1)運転前後のアルコール検知器を用いた検査の実施(2)アルコール検知器を常時有効に保持すること(3)当該記録を1年間保管すること――の要件を求めています。

今回開発したアルコール検知器は一般的に採用されている液晶表示やブザー音に加え、マルチカラーLEDや振動モーターを用いて吹込みの開始・終了や検査結果を発光色と振動により利用者に伝えるなど、光・音・振動で直感的な操作感を追求しています。

また、圧力センサーによる吹込み量の確認により不正防止の機能も持たせています。

同時にサービス提供する専用アプリにより検査実施、データ保存することとなります。ドライバーはアプリを起動して検知器に息を吹き込み、検査を実施します。検査記録はクラウドにワンタッチ送信され保存されます。管理者はパソコン等の管理画面でリアルタイムに結果を確認できます。その際、アプリの顔認証により不正防止機能も働きます。

検査義務化の条件にある検査記録の1年間保存をクリアするとともに、義務化に伴う従業員の検査工数の削減や、安全運転管理者のリスク低減に寄与します。

今回の検査義務化では「アルコール検知器を常時有効に保持すること」が要件となるため、当社では独自のアルコール検知器管理システムを構築し、検知器のメンテナンス時期が来る以前に、事前通知メールを送付したうえで、新しい検知器を顧客に発送し検知器を入れ替える仕組みとしました。矢崎がメンテナンス時期を管理することで確実な性能の維持と顧客の管理業務の負担軽減を図ります。

アルコール検知器のラインアップは、直行直帰などの際に個人が持ち歩く可搬型、事務所で複数名が利用する据置型、矢崎のデジタルタコグラフと連携し独自の運行管理システム(ESTRA)上でアルコールの検査記録を一元管理できるデジタルタコグラフ接続型の3機種となります。

アルコール検知器と専用アプリをセットでサービス提供することで、安全運転管理業務のスマート化を実現いたします。

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