【文化】遺言書を上手く使おう、もめない相続のために 【14面】
相続分野の規定を40年ぶりに見直す民法改正案が7月上旬可決された。残された配偶者が亡くなるまで今住んでいる家に住み続けられる規定を設けたほか、介護で貢献した「お嫁さん」に報いる仕組みもつくった。高齢化時代の実態に合わせた改定といえる。ただ、新たな権利が生まれると、それを巡って争いが激化する可能性もある。もめない相続のためにはどうすればいいのか。相続問題に詳しい平田久美子税理士に聞いた。
平田さんが挙げる見直しのポイントは四つ。
まず、残された配偶者が現に住んでいる家に一定期間、あるいは終身住み続けられる権利(居住権)が新設されたことだ。「家と土地しか財産がない時、実家を出て独立している子供たちから『家を売って遺産分けを』と迫られるケースが増えている。それを背景にできた制度です」と平田さんは解説する。家を売却せざるをえない場合でも、相続開始から6カ月間は住めるように規定された。